弁護士業界の現状については様々な意見があると思いますが、概ね一致している点は、「弁護士が活躍する場を広げていくことは、弁護士にとっても社会にとっても非常に有益である」ということだと思います。そして、この活躍の場を広げるという役割は、若手弁護士が特に担うべきものです。

先日、ある中進国で働いている日本の弁護士さんからお話を聞きく機会がありました。その方は、数年前に、それまで日本の弁護士が進出していなかったその国に突然行くことになり、今ではその国で確固たる地盤を築かれました。主な仕事としては現地の日本の会社から依頼を受け、その国の会社との間に入って直接交渉・連絡などを行っているそうです。

「何故、そこに弁護士が必要とされているのか」という私の質問に対して、その方は「この国の民族性は日本と同じように、あまり直接的に物ごとを言わない民族性です。だから、これまでは、会社間で直接やり取りをすると10回、20回メールのやり取りを経て、ようやく互いの問題点が明確になってきていました。とても時間がかかります。その間に弁護士が入って、事実と法律関係を整理してお互いの問題を明確化すると、2、3回くらいで問題点に到達できます。相当な時間と手間の短縮が出来るので、間に弁護士が入ってもコスト的にはプラスになります。それに弁護士と名乗ると、相手の会社も少し気圧されるみたいです(笑)。」

なるほど、この国にそんな特殊な事情があったのか、と思いました。恐らく数年前までは、その現地の日本法人は弁護士を日常的に使うメリットを認識していなかったはずですが、実際にはそこには、結構強いニーズ、必要とされる理由があったのでした。

こうしたニーズを一つ一つ探していき、検証し、そこに実際に挑戦していく、私はこの会がそういう集まりにもなったらなと思っています。

例えば、今、会の仲間の一人から、いじめ問題について次のような話がありました。ざっくり言えば、いじめ問題は、最終的には制度的問題であり、第三者、外部の人間がその中に入る必要がある。内輪での処理で終わるか、マスコミ・警察での問題にまで発展するかの両極端の結果が多い中で、その中間的解決を図る制度を作るべきではないか。そして、その中には、中立的な存在として信頼もあり、法的な処理も判り、事実の整理・評価の訓練もされている弁護士という存在が入り、活躍すべきニーズがあるのではないか、こういう話でした。こういった提案を検討し、スキームを作り、提言し、実際に中に入っていく、そういう挑戦はとても心が躍ります。

その他にもこの会では、今後、各業界団体・企業に対してヒアリングを行っていくという企画も挙がっています。

誰かが何かをしてくれることを待っていては何も変わりません。実際に行動し、その結果、周囲を巻き込み変えていく、そんな集まりにこの「これからの法律家を考える会」がなっていければいいなと思います。

弁護士  小島 秀一